ナマイキ男子

「鳴瀬~~~おせえ!!!!!」


ダラダラと歩く鳴瀬が体育館の入り口に見えた。


流星くんがすっごい怒ってる。


どう考えてもあれは寝坊の遅刻という最悪なパターンだ。


しかも全然悪びれた様子もない。


ふ、不安しかない……。


大丈夫なんだろうか…。


私の方に気づいた鳴瀬がヒラヒラ手を振っている。


振り替えそうとした時、


「え、倫也くん私に手振った!!?」

「いや、私によ」

「でも私鳴瀬くんのLINE知ってるもん」

「うそ!!うらやましい」


という会話が前方から聞こえて慌てて手を引っ込めた。


そ、そうだよね。


私に手を振ったわけじゃない、かもしれない。



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