好きになるには理由があります
「それと、巫女さんはもういいです」
と杵崎は言った。
「わかったからです。
俺は別に巫女さんが好きなわけじゃなくて。
一宮がたまたま巫女だったり。
俺を騙した女が巫女だったりしただけだって」
という杵崎に、さっきまでスマホで見ていた知り合いの神社のブログを見せた。
可愛い巫女さんたちが毎日頑張って働いている姿がブログに収められている。
もっとよく見ようとした杵崎の手許からスマホを遠ざけると、あっ、とすがりつくようにそれを取ろうとする。
「……前言撤回します。
巫女さんも一宮も好きです。
今回、たまたま、そのふたつが合致しただけです。
――あとで、そのサイトのアドレス教えてください」
そんな杵崎の顔を見ながら清春は気づいた。
そういえば、この男も深月の人生に新しく現れた男だったな、と。
イケメンだし、深月とそう相性も悪くなさそうなのに、なんの爪跡も残せていない感じだ。
と杵崎は言った。
「わかったからです。
俺は別に巫女さんが好きなわけじゃなくて。
一宮がたまたま巫女だったり。
俺を騙した女が巫女だったりしただけだって」
という杵崎に、さっきまでスマホで見ていた知り合いの神社のブログを見せた。
可愛い巫女さんたちが毎日頑張って働いている姿がブログに収められている。
もっとよく見ようとした杵崎の手許からスマホを遠ざけると、あっ、とすがりつくようにそれを取ろうとする。
「……前言撤回します。
巫女さんも一宮も好きです。
今回、たまたま、そのふたつが合致しただけです。
――あとで、そのサイトのアドレス教えてください」
そんな杵崎の顔を見ながら清春は気づいた。
そういえば、この男も深月の人生に新しく現れた男だったな、と。
イケメンだし、深月とそう相性も悪くなさそうなのに、なんの爪跡も残せていない感じだ。