好きになるには理由があります
「いや、そういうんじゃないみたいですけど。

 杵崎さん、最近、会っているらしいんですよね。

 清ちゃんに紹介されたブログの巫女さんと。

 ブログの書き方習うとか言って」

「なにそれ、ひーどーいっ。
 ネットで巫女さんのコスプレグッズ買ったのに~」

「私も~」

「私もです~」
と也美と沙希と純が騒ぐ。

「心に傷がつきました~」
と土曜の夜も純は由紀に愚痴っていた。

 今日は祭りの様子を撮ったドキュメンタリー番組がケーブルテレビで流れるので、みんなで見ようという話になって宴会を兼ねて集まっていたのだ。

 神社横の広間には、祭りを手伝った陽太の会社の人たちも招かれて集まっていた。

 杵崎はその巫女さんも参加することになり、迎えにいっていて、まだ来ていない。

 也美も杵崎が本命ではなかったはずなのに、泣いている。

「私は購入履歴に傷がつきました~。
 あれから、ネットショップ開くたびに、おかしな店のコスプレグッズばっかり勧められるんです~」
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