好きになるには理由があります
陽太の胸に顔を押し付けられた深月は、陽太の匂いを嗅ぎながら頭の上から降ってくる彼の言葉を聞く。
「……お前、最近、結婚前だからとか、独身最後だからとかばっかり言って。
友だちや家族とばかり居るじゃないか」
それでちょっと拗ねてたのか、と気がついた。
「だって、これからはずっと一緒じゃないですか」
と言いかけ、深月は気づいた。
これがよくないんだなと。
別に支社長を後回しにしてたわけじゃないんだけど。
でも、そんな風に妬かれるのも今はちょっと嬉しい、と笑ったとき、陽太が言った。
「次の休みはうちに来いよ」
「はい」
少し押さえつける手が緩んだので、見上げて笑った深月の視界に、ふとデスクに置かれたままの眼鏡が入った。
「でも、眼鏡かけてる支社長も格好いいから、たまにはかけてくださいね」
と言うと、
「……じゃ、今、かけようか」
と陽太が顔を近づけ、言ってくる。
「……お前、最近、結婚前だからとか、独身最後だからとかばっかり言って。
友だちや家族とばかり居るじゃないか」
それでちょっと拗ねてたのか、と気がついた。
「だって、これからはずっと一緒じゃないですか」
と言いかけ、深月は気づいた。
これがよくないんだなと。
別に支社長を後回しにしてたわけじゃないんだけど。
でも、そんな風に妬かれるのも今はちょっと嬉しい、と笑ったとき、陽太が言った。
「次の休みはうちに来いよ」
「はい」
少し押さえつける手が緩んだので、見上げて笑った深月の視界に、ふとデスクに置かれたままの眼鏡が入った。
「でも、眼鏡かけてる支社長も格好いいから、たまにはかけてくださいね」
と言うと、
「……じゃ、今、かけようか」
と陽太が顔を近づけ、言ってくる。