本当に私のこと好き?
「箍、外れたな……」
「え?」
「自分の気持ち言わなかったのも本能的に防御だったんだろうな」
「防御?」
「溺愛体質だったのかな、俺……
今まで付き合ってきた女とは全然違う」
甘い瞳で真っ直ぐ見詰めながら頬を撫でる
キュンと胸が鳴った気がする
「2年前、りかと初めて会って一目惚れした」
「っっ!」
「ははっ、驚いた顔も可愛い」
ど、どうしよう
箍ってこう言うこと?
突然変異の様に慶太の醸し出す雰囲気が変わった
「一目惚れなんて初めてで、最初りかに対する気持ちが何なのかわかんなくて
バカみたいだけど、泰成に指摘されて気付いた
彼女なんて、直ぐに別れたよ
元々、ギスギスしてたし
さっきも言ったけど、別れてからりかに伝えようと思ってた
知れば知るほど可愛くて堪んなくて限界だった
それなのに…………」
少し拗ねた声に、さっきの話か………と身を固くする
フリーの男は面倒くさいってやつ
確かに言った
その時はまだ、慶太の事は何とも思ってなくて
仕事覚えるのに必死だったし
こんな私でもちょくちょく声を掛けてくれる奇特な男性もいて
必死だった私は恋愛に現を抜かすわけにもいかなかったし
正直、面倒だった
その時、慶太には彼女がいると思ってたから
私になんて見向きもしないだろうって……
私だって余裕が出来て初めて慶太を意識し始めた