本当に私のこと好き?
こんなにお前のこと好きなのに




「須藤~!」



月曜の朝、社内朝礼が終わって戻ってきた部長に呼ばれた
そこに行けば部長の横に小さな女がいた


俺より遥かに小さい
まぁ、俺が無駄にでかいんだけど


「新人研修、お前に任すわ」

「え?」

「お前もそろそろ新人教えろ」


入社して二年
初めて任されるらしい新人研修


「佐原さんは、総務に配属になるらしいんだけど新人は営業以外は全課二週間の研修があるだろ?
で、今日から来週末までうち
佐原さん、こいつに付いて教えてもらって」

「はい」


うちの課は経理課
俺も新人の時には同じように全課回った


営業課だけは外勤だし研修には行かない
ただ、営業に配属されるやつは全課研修に回る
会社の仕組みや動きを知るために毎年三ヶ月掛けて研修をするのがこの会社の習わし

まぁ、それが良いのか他の課の人達とも仲が良い
よくある、課同士のギスギス感がない


「佐原りかです、宜しくお願いします」


俺に視線を向けて挨拶してきた
うわっ、こいつ可愛い顔してんな

小さい背丈に可愛らしい容姿
それでいて妙な色気もあって

こりゃ、男達は黙ってなさそうだな
何となく胸がキュッと詰まった気がしたけど直ぐにおさまった


「須藤慶太、宜しく
経理と総務は行き来が多いから研修終わったあとも何かと縁があるよ」

「はい、宜しくお願いします」


きっちり、相手の目を見て話をする新人の第一印象はかなり良かった









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