本当に私のこと好き?
「佐原の親友なのか?」
「そう、だから、まだ、22歳だよ
それに、親父からも彼女を寿退社なんてさせたら俺を解雇するなんて言われてるから
会社の損失とまで言われた」
「え?会社の人間?社長の秘書とか?」
「秘書ではない」
会社の損失とまで言わせる女性社員なんて居たっけ?
一人頭に浮かんだヤツが居たけど慌てて消し去った
アイツはない
泰成のタイプでもないはずだ
「誰だよ」
「……………」
「言え、俺には聞く権利ある」
権利なんてあるわけないが、そう言うとははっと笑って驚きの名前を言った
「はぁ?」
思わず大きな声で立ち上がった俺に周りは驚いたけど、泰成はまだ笑ってる
何がおかしい!
「あれ?慶太狙ってた?」
「狙うか!アイツは悪魔だ!」
「すげぇ、言われよう」
ニコニコ嬉しそうに笑う泰成には半年前の寂しさは見られなかった
「本気?」
「本気」
「姫野だよな」
「姫野早苗だよ」
間違いない
一瞬、頭を過った名前だ
会社の損失
まさに、そうだ
「俺たちと同期だし」
「俺、名古屋だったから知らなかったし」
「総務のお姫様…………」
「ははっ、そう呼ばれてるらしいな」
「アイツは悪魔だ!お前にだって何度も言っただろ?」
「それは、慶太にだけだろ?」
くそっ!
泰成の彼女だと?
佐原の親友だと?
泰成とは会った時に何度か名前を出した事があった
泰成も興味無さそうだったのに