本当に私のこと好き?



「顔は、可愛い、悔しいがそれは認める」

「別に認めなくていいよ」


その声に嫉妬が混じっていて驚いた
顔を見ればかなり拗ねた顔
思わずじーっと見てしまう


「なに?」

「いや、お前、マジなの?姫野だろ?」

「マジも大マジ」

「ほ、惚れてんの?」

「あぁ、可笑しくなる位な」



その顔は俺でも惚れそうになるほどに、いい男だった




うちの、会社で一番有名だと言われても可笑しくないヤツ
それが姫野早苗だ

短大卒業で入社して俺たちと同期だけど二歳下
そうか、佐原は四年生大学だからか


姫野の容姿は少し佐原に似てるかも
小さくて可愛くて

総務のお姫様と呼ばれる所以の一つだ


佐原と二人で並んだら圧巻だな………
佐原もかなり可愛いし
総務課かなり賑わいそうだな


まぁ、それは良いとして
俺たち同期の中でも姫野は人気だった


俺も可愛いとは思ったけどなんか、タイプでもなくて
俺は綺麗系が好きなんだ


それが、ムカついたのか同期の中でも俺にだけ厳しい


姫野がお姫様と呼ばれてるにはもう一つ理由があった


英語、フランス語、スペイン語、中国語、日本語の五か国語を操る非常に優れた女
勿論頭も良くて、色んな資格も持ってるらしい

なぜ短大なのか、と聞いた時に早く仕事がしたかったらしい
姫野なら有名大学に行けただろうから


早く働きたかった、その理由は聞かなかったけど





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