本当に私のこと好き?
「良かったな、泰成
結婚式には呼んでくれよ」
「あぁ、ありがとう」
そう言ってグラスを合わせた
「慶太、りかちゃんの事好きなんだろ?
付き合ってんのか?」
姫野と付き合っていると聞いたあの日から一ヶ月程
泰成が突然そんなことを言ってきた
なんの、事だ
俺が佐原を好き?
それはストンと俺の中に落ちてきて何だかモヤモヤしていたつっかえが取れた気がした
俺、佐原の事好きだったんだ?
「彼女とも上手く行ってなかっただろ?
もう、別れたのか?」
「別れてない、上手く行ってないって言うかここ最近連絡はしても会ってない」
一年程付き合っている彼女とは最近ギスギスしてる
仕事が忙しくて、なかなか会えない俺に不満しかないようで
潮時かと思っていた
でも、そこに浮上した俺の恋心
マジか……
「りかちゃんと付き合うなら彼女とちゃんと別れろよ
二股なんてしたら許さないからな」
「セフレ侍らしてたお前に言われたかないね
姫野に言うぞ」
「別に、早苗も知ってるし
今は早苗以外とヤル気も起きないしな
他の女に触れるくらいなら早苗にずっと突っ込んでたいね」
「なっ、おまっ、」
何とも明け透けな
変に想像してしまっただろ
「想像すんな、ちゃんと抱いてるのは俺だろうな
まさか、お前、想像でも早苗を抱いたんじゃねぇだろうな」
低い声で睨み付ける顔は般若だ