本当に私のこと好き?
「お?佐原、終わりか?」
「はい、先輩も?」
「あぁ、じゃあ金曜日だし飲みにでも行くか?」
「え?ほんとですか?やった!行きたいです!」
全身で喜ぶ姿がなんとも可愛い
俺たちはそのまま行き付けの居酒屋に向かった
泰成に言われたからか佐原が可愛く見える
いや、元々可愛いかったけど
綺麗系がタイプだと思っていた俺は可愛い系の佐原はタイプじゃないと思っていたのに
彼女とは別れたし、この勢いで言ってしまおうか
「先輩、私はね今仕事が恋人なんですよ!」
「は?」
こいつもう酔ってるのか?
酒豪姫野の親友らしいがこいつは酒にあまり強くない
でも、酒が好きらしくよく飲みに行ってるみたいだ
自分の量をわかっているのか、無理な飲み方もしない
「なんか、色々面倒なんです
彼氏とも社会人になって直ぐに別れたし」
こいつ男いたのか
その事実に、もやっとする
「フリーの男の人は二人で食事をしただけで脈ありって思うんですか?
もう、フリーの人は面倒くさい
先輩みたいに彼女持ちの人の方が妙な誤解も男女の駆け引きもなくて楽です」
俺の気持ちに気付いてたのか?と思えるほどにズバッと振られた気分だ
しかも、男と二人で飯食いに行ってたのか?
いつの間に!
どこのどいつだ
俺は佐原の事を何も知らないのだと思い知らされた瞬間だった