本当に私のこと好き?
奇跡が起きた
バレンタインデーに"本命です"と手渡されたチョコレートの箱は今も俺の宝物
きっとそんなことも気付いてないんだろうな
今、俺の腕の中でスヤスヤ眠る彼女は可愛くて愛しくて堪らない
"愛しい"と言う感情を俺に教えたのは紛れもなくこいつだ
「りか、愛してるよ」
女に"愛してる"なんて言ったのは初めてで
それほどに夢中だった
突如言い渡された別れの宣告
一瞬、頭の中が真っ白になった
涙を流しながら"辛い"と言う姿に、俺はこの半年間何をしていたのかと自分を殴ってやりたかった
一番伝わっていないといけなかった相手には俺の気持ちは全く伝わっていなかった
俺の気持ちなんて周りには駄々漏れで、付き合い初めてからは更にそれを隠すことも無かった
しょっちゅう、他のヤツにも「須藤さん、佐原のこと好き過ぎでしょ」なんて言われることは一度や二度じゃなかった
ベタ惚れ
そう思われても仕方ない程に、俺はもうりか以外の女が女と認識出来なくなっていた
りかが他の男と話をしてるだけで殴りたくなる
りかを狙う男に「佐原さんとはまだ、結婚しないですよね?俺、まだ、狙ってますから」と堂々と略奪宣言されて
総務には姫野もいるから安心ではあるが、姫野とりかの二人は社内でも人気があるし
総務と言う立場から色なヤツと関わる
総務にも敵は潜んでいたしな