本当に私のこと好き?




「まさか、こんな近くに慶太のライバルが潜んでるなんてな
でも、そんなに好きなのに諦めないといけないなんて辛いよな」


泰成が、「俺ならなら出来ない」って言いながら私の頭を撫でた
優しい瞳に嬉しくなる



「うん、でもさ、何となく翼はちゃんとまた違う人と恋愛出来る気がするんだよね」

「そうなの?」

「姉の勘かな?
りかを好きなのは変わらないけど、いつかね
今は気付いてないけど、りかを別の存在として大事なんだと思うのよね
だって低学年からずっと好きだから………」


だって、りかにちゃんと「おめでとう」が言えるんだよ
幸せを願えてる

きっと、りかへの想いは"好き"とかそんな簡単な気持ちだけじゃないんだよね

大事な人
それは、時には恋人や家族よりも優先順位が上になっちゃう人

翼にとっては、りかはそんな存在な気がする



「恋に恋してる?」

「うーん、そんな感じかな?
でも、そこまで軽くないよ、ハジメテもらってくれなんて言うくらいだから
大事な人って感じかな?」

「そうだよな、どれだけ好きなんだよって感じだけど
俺も翼くんには幸せになって欲しいよ
俺にとっても可愛い弟だからね」

「うん」


泰成も一人っ子で、うちに初めて来たときはりかと同じ反応だった
もうすっかり家族だ


「明日、慶太とりかちゃんのお祝い見に行こうか」

「うん」


須藤さんには取られちゃうけど
私達は変わらない


りかは、私にとっては大好きな親友なんだ







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