本当に私のこと好き?
早苗も、美幸さんも羨ましい
愛されてる二人が…………
「ほらっ、行こう」
部長にポンッと子供の様に頭を撫でられて何だか恥ずかしくなる
部長から見たら私なんて子供なんだろうな
「りかっ!」
急にグッと引き戻されてよく知っている温もりに包まれた
私の大好きな匂い
あー、また、わかっちゃう
私の全てで理解して慶太を求めちゃうんだ
「部長!りかは渡しません!
りかは俺の彼女ですから!諦めてください!」
「「え?」」
慶太の言葉に二人で驚いた
「け、慶太…………?」
「りかっ!俺は認めないからな!
別れなんて聞かない!」
どうして?
好きな人いるんじゃないの?
「へぇ、認めないってなに?
りかちゃん泣いてるじゃん」
「ぶ、部長?」
煽るような物言いに驚いた
部長がそんな言い方するなんて
しかも、"りかちゃん"だなんて
会社の人の前では"佐原"って苗字で呼ぶのに
「悪いけど泣かせるような男よりはマシだと思うけど?」
「泣かせたのは俺が不甲斐ないからです!
それでも!例え部長でもりかに触れるのは許せません!
りか、行くぞ」
「け、慶太!」
ぐいぐい引っ張られ、踏ん張ってもそこは男女の差
私の抵抗なんて慶太にとってはなんて事ない
余計な体力は使いたくない
私は途中から抵抗することなく慶太に付いて行った