都の剣〜千年越しの初恋〜
七章 修羅
朝日が草原を照らす。草原には、一匹の巨大な大蛇。神々たちは大蛇の周りを取り囲むように、攻撃を始めていく。

「俺たちも行こう!」

葉月が沙月と妖怪たちを見つめる。その目には力強い何かがあった。

「もちろんだぜ!」

ひとめがいつものように笑う。他の妖怪たちも真剣な表情で頷いた。

「葉月……」

沙月は葉月をそっと抱きしめる。耳に聞こえてくるのは、いつものように互いの鼓動だけではない。神々が戦う音が、嫌でも耳に入り込んでくる。

「……ここ、戦場みたいなものだよね」

沙月は不安を感じ、呟く。一人でも強い神々が束になってまで戦わなければならない。

「……ああ。でも、ここで全てを終わらせられたら俺たちの未来は……」

葉月はそう言って、沙月の頰に触れる。ゆっくり顔を近づける葉月に、沙月は「待って」と言った。

「……キスは、全て終わってからにしよう」

沙月は微笑みながらそう言う。その表情は、とても儚げで今にも壊れてしまいそうな微笑みだった。
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