都の剣〜千年越しの初恋〜



動物霊たちは、ゆっくりと沙月たちに近づいてくる。沙月たちは慌てて光線で応戦を始めた。

「ヤマタノオロチだけじゃなく動物霊まで相手にしなくちゃいけないなんて……!」

「誰がどっちを攻撃すれば……」

神々たちはそう言いながら、目の前の敵を倒していく。ツクヨミが月の光の力を与え、戦っている誰もが強い光線を出せるようになっていた。

「沙月!葉月!」

「儀式の準備が整ったです〜!!」

桜姫と春太郎と幸子が走って来た。その手には、儀式で使う呪文が書かれたマットや道具がたくさんあった。

「ありがとう!今すぐここで使う!!」

葉月はそう言うが、悪霊たちが邪魔をして桜姫たちのところへ行けない。

「葉月、私が行くわ!!」

沙月はそう言って走り出す。後ろから、「頼む!!」という声が聞こえた。

必死に沙月は走る。頭上では炎や水が飛び交い、多くの神々が戦っている。空にいても、地面にいても危険な場所だ。
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