都の剣〜千年越しの初恋〜
ヤマタノオロチを、神々たちは次々に攻撃した。サクヤ姫がヤマタノオロチを拘束し、ヤマトタケルが剣で斬りつけ、ヒノカグやオオサギたちが術を使う。沙月と葉月も、悪霊たちと戦いながらヤマタノオロチに攻撃をしていった。

しかし、時間だけが過ぎて行くばかりだ。朝から戦い始めたのだが、時計を見るともう十二時を過ぎていた。

「オロチ、ちっとも傷がつかない……」

キングが苛立ちをあらわにし始めた。神々も疲弊し始めている。

その時、ヤマタノオロチが体を激しく回転し始めた。その刹那、ヤマタノオロチにしがみついて攻撃をしていた神々は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。空中にいた神々には、ヤマタノオロチは黒い光線を放った。

「うわぁ!」

「きゃあ!」

悲鳴があちこちで聞こえる。沙月が声のした方を見ると、攻撃を受けた神はみんな大怪我を負っていた。

「た、大変だ……!」

医薬の神・スクナビコがすぐに処置に当たる。桜姫や座敷わらしたちも協力し始めた。

ヤマタノオロチの初めての攻撃に、誰しもが恐怖を感じ、攻撃をやめる。ヤマタノオロチはゆっくりとまた動き始めた。
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