都の剣〜千年越しの初恋〜
最終章 永遠の口付け
「……は?」
もういい、そう言った沙月に、葉月は何が起こったのかわからないと言いたげな表情を見せる。
「お前、何言って……。どういうことだよ……」
震える声で、葉月は沙月に訊ねる。その目は沙月の言葉が嘘であってほしいと言いたげだった。沙月の胸が痛む。それでも、話さなければと沙月は口を開いた。
「もう終わりにしよう?これ以上、傷つく葉月やみんなを見たくないよ……」
沙月の目から涙がこぼれる。葉月はそれを呆然と眺めていた。
耳をすまさなくても、まだ神々や妖怪たちがボロボロになりながらも戦う音が聞こえてくる。ヤマタノオロチが苦しむ声は何も聞こえず、沙月の耳には味方の苦しむ声が嫌でも聞こえてきた。
沙月は涙をぬぐい、葉月に笑顔を見せる。桜の花のように儚く、それでも美しい笑顔をーーー。
沙月は葉月の手をそっと取る。傷だらけになってしまった手。今まで、何度もつないだ手。もう触れられない手の温もりに、沙月は笑顔を崩しそうになるのを堪え、言った。
もういい、そう言った沙月に、葉月は何が起こったのかわからないと言いたげな表情を見せる。
「お前、何言って……。どういうことだよ……」
震える声で、葉月は沙月に訊ねる。その目は沙月の言葉が嘘であってほしいと言いたげだった。沙月の胸が痛む。それでも、話さなければと沙月は口を開いた。
「もう終わりにしよう?これ以上、傷つく葉月やみんなを見たくないよ……」
沙月の目から涙がこぼれる。葉月はそれを呆然と眺めていた。
耳をすまさなくても、まだ神々や妖怪たちがボロボロになりながらも戦う音が聞こえてくる。ヤマタノオロチが苦しむ声は何も聞こえず、沙月の耳には味方の苦しむ声が嫌でも聞こえてきた。
沙月は涙をぬぐい、葉月に笑顔を見せる。桜の花のように儚く、それでも美しい笑顔をーーー。
沙月は葉月の手をそっと取る。傷だらけになってしまった手。今まで、何度もつないだ手。もう触れられない手の温もりに、沙月は笑顔を崩しそうになるのを堪え、言った。