都の剣〜千年越しの初恋〜

「葉月や妖怪たちと一緒に、この世を彷徨っている霊たちを成仏させてあげたい！「力がないから役に立てない」って言っている人がいれば、そばに行って「大丈夫だよ」って支えてあげたい！人として、葉月やみんなと一緒に生きたいの！！」

その刹那、辺りに凛とした声が響いた。

「その願い、聞き届けたり」

戦っている神々たちは攻撃をやめ、イザナギたちは誰の声なのか辺りを見渡している。沙月と葉月も声の主を探していた。

沙月の胸がふわりと温かくなる。それはまるで、春の日差しを浴びているかのような温かさだ。

次の瞬間、沙月の目の前が黄金に輝く光に染まる。沙月も、葉月も、誰しもが驚きその光景を見つめた。

「ギャアァァァァァァァァァァァァ！！」

どんな攻撃を受けても苦しまなかったヤマタノオロチが、初めて苦しんでいる。沙月たちはその光景にも驚いた。

黄金の光が消えると、沙月たちの目の前に美しい黒髪の女性が立っていた。金の美しい刺繍が施された美しい着物を着ている。