都の剣〜千年越しの初恋〜
辺りは一瞬にして静まり返る。その神々しさに誰もが見とれ、言葉を失う。神様のことをよく知らない沙月も誰なのかわかった。

「あなたは……アマテラス様……ですか？」

姫神は沙月を見つめ、優しく微笑む。そして、言った。

「はい、私はアマテラスです。あなたの願いを叶えるために参りました」

沙月の胸は高鳴る。そして、葉月の手をそっと包んでいた。



「アマテラス様……！」

「眠っておられたのでは……！」

神々たちは騒ぎ出す。妖怪たちも最高神の姿に黙っていた。ひとめや火影が黙っていることがどこかおかしくて、沙月は笑いたくなってくる。

「お姉様！」

ツクヨミが泣きながらアマテラスに駆け寄る。そして、抱きついた。アマテラスも優しく微笑み、ツクヨミの頭を撫でる。

「心配したんですよ！ずっと目を覚まさないんじゃないかって……」

泣き続けるツクヨミに、アマテラスは「心配してくれて、ありがとう存じます。もう私は大丈夫ですよ」と何度も言う。
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