都の剣〜千年越しの初恋〜
「これが草薙の剣です。これがあれば、ヤマタノオロチを倒すことができます」

葉月がその剣を受け取り、沙月もその剣を見つめる。大きめの剣は黒く光り輝いている。剣の柄には、宝飾が施されていた。

「アマテラス様、ありがとうございます！」

沙月が頭を下げると、アマテラスは優しく沙月に触れた。

「あなたには、幸せになってもらいたいのです。私が全力を尽くします」

そう言うと、アマテラスは空中に向かって光線を放つ。その刹那、闇が一瞬にして消えていき、美しいオレンジに染まる空が見えた。

光が闇に勝っていく瞬間を、その場にいる全員は何も言わずに見つめている。アマテラスだけでなく、ツクヨミも光線を放ち始めた。

空からまるでスポットライトのように、光が大地を照らしていく。その光景を見て、沙月は光がとても美しいものなんだと改めて思った。

「沙月」

葉月が剣を強く握りしめ、言う。沙月は葉月の言いたいことがわかり、黙って剣を握った。草薙の剣を二人で握る。二人の手が重なってくすぐったい。
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