都の剣〜千年越しの初恋〜
「こんなところにいないで恋人のところにでも行け!お前と次に会うのは何十年も先だ!」

イザナギは、力強くで沙月を部屋から追い出した。驚く沙月だったが、イザナギの小さな呟きがはっきりと聞こえた。

「……二人で生きていけ」



飲めや歌えやの宴が終わった後、沙月たちはアマテラスとツクヨミ、そしてイザナギとイザナミとともに会議室にいた。この世に帰るためだ。

「沙月!友達になってくれてありがと〜!!」

ツクヨミが沙月に抱きつく。妖怪たち、葉月もアマテラスとツクヨミにお礼を言ったりした。

イザナギとイザナミは、静かに沙月たちを見守っている。その目が優しいことにすぐ沙月は気づいた。

「沙月、葉月、二人に会えて本当によかったです。ありがとう」

アマテラスが二人と握手を交わす。二人はアマテラスにお礼を言い、頭を下げた。アマテラスがいなければ、幸せなこの現実ではなかっただろう。

「姉上!沙月ちゃんは僕が守ってくよ〜」

「ウザいです!」

スーの一言に、沙月以外の全員が声を揃えて言った。

「僕の扱い、ひどくない!?」
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