都の剣〜千年越しの初恋〜
「さて、もう別れの時間です」

アマテラスがそう言った刹那、沙月たちは白い光に包まれる。宙にふわりと浮く感覚がした。

「さようなら!」

「またどこかで会いましょう!」

沙月と葉月はそう言い、笑顔で手を振る。アマテラスたちも手を振り返してくれた。

白い光は、アマテラスたちの姿を消した。



あの世に行ってから数週間が経った。もう夏休みは終わったが、まだまだ暑い日は続いている。

沙月と葉月があの世に行っていた時の時間は巻き戻されていたため、沙月と葉月は夏休みを普通に楽しく過ごすことができた。

春太郎と幸子と一緒に花火をし、つららとお雪がアイスクリームやかき氷を作ってくれた。ひとめが勝手に家をお化け屋敷に改造しようとしたり、キングと桜姫と一緒に新しい服を買いに行ったりもした。みんなで一緒にテレビを見て、笑ったり盛り上がったり、楽しい夏休みだったと沙月は振り返る。

その時に、ふと沙月は葉月があの時言ってくれた言葉を思い出す。そして気になったので葉月に聞いてみようと思った。
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