都の剣〜千年越しの初恋〜

「なんか、私たちって不思議だよね」

沙月はそう言いながら、葉月の方を見つめる。

「なんだか、出会うずっと前から知ってるみたいな気がする！」

そう言った刹那、沙月は何かにつまづき、転びそうになってしまった。葉月はそれを慌てて支える。

「…危ねぇだろ、馬鹿」

「ご、ごめん」

二人の胸は、大きく高鳴った。



沙月たちが学校へ行ったのを見届けた後、妖怪たちは沙月の部屋でこっそり会議をしていた。

「ここで沙月ちゃんが座って…！フォォォォ！」

変態発言をするスーを、「キモッ！」と全員が声を揃えて言う。お雪が「お許しを！」と言いながらスーを凍らせ、火影が「変態退散！！」と言いながら炎でスーを包んだ。

「……グハッ！」

スーは見るも無残な姿になり、妖怪たちはそれをちらりと見てから話を始める。

「だんだん、沙月たちの見る夢が鮮明になってきているな…」

嵐猫の重い言葉に、「このままじゃ、沙月と引き離されちゃうよ！」と水月が涙を目に浮かべながら叫ぶ。