都の剣〜千年越しの初恋〜
「じゃあ行くよ！」

金次郎が霊の上に勢いよく落ちる。霊の一人は身動きが取れなくなってしまった。

「オラオラ〜！ひとめ様のお通りだ〜！」

ひとめが倒れた霊の顔に落書きを始める。ちなみに、落書きで相手にダメージを与えることはない。

「ウォォォォォォォ！！コロッケェェェェェェェェ！！」

なぜかそう叫びながら、火影が炎で攻撃をする。結界がなかったら近所迷惑だろうな、と沙月は苦笑した。

「それ！！」

沙月は霊の力を弱めるお札をつけていく。一瞬で霊たちの動きが鈍くなっていった。

何十分もの格闘の末、沙月たちは除霊に成功した。



その夜、沙月はまたサシャとツキヤの夢を見た。

強盗に襲われているツキヤをサシャが助け、ツキヤに連れられて街へ遊びに行くという夢。

「うわぁ〜！おいしい〜！」

甘味処で出されたあんみつを頬張るサシャの姿を、ツキヤは微笑ましい目で見つめていた。

「どうした？」

サシャが訊ねると、ツキヤは「ずっと勇ましい方だと思っていましたので、そんな顔もされるのですね」と言う。
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