都の剣〜千年越しの初恋〜
二章 秘め事
沙月と葉月は、次の日から早速、妖怪たちには内緒で自分たちの夢について調べ始めた。

学校から帰ると、悪霊がいないかパトロールするふりをして家を出て、沙月の家の近くにある空き家で話す。

「なんか、こんな秘密の時間って不思議!まるでロミオとジュリエットみたい!」

空き家の一室でくるりと踊り子のように回る沙月を見ながら、葉月は「妖怪ども、何か隠してやがるな」と頰を赤くしながら呟く。

「俺たちの見る夢は、死後の世界の話であることは間違いないな」

葉月は、今まで見た夢の内容をノートにメモし言う。

「でも、死後の世界なんて私も葉月も行ったことないよ?見える景色も全然身に覚えないし…」

沙月がそう言うと、葉月も「ああ」と呟いた。

「だからこそ、知る必要があると思うんだ。夢というのは、自分の精神状態などが見える大切なものだ。何か大きなメッセージがあるはずだ」

今まで見た夢は、サシャとツキヤが出会い、一緒に出かけて恋に落ちていくというものだ。
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