都の剣〜千年越しの初恋〜
「それでは、裁判を始めさせていただきます。裁判長は私、ニニギノミコトが務めさせていただきます」
若葉色の着物を着た男性の神が木槌を叩く。その刹那、法廷に緊張が走った。それが誰のものであるかはわからない。
「ニニギ……?」
首を傾げる沙月に気づいたのか、葉月が椅子に座らされたまま言った。
「ニニギノミコト……天皇の始祖となった神か。絶世の美女と言われる桜の祖神・コノハナサクヤヒメと結婚したために人間の命は短命となったといわれている」
この状況で教えてくれることに沙月は驚きと同時に、嬉しさも感じる。葉月の表情はとても力強い。
「よく知っているな、小僧。お前の裁判なのだぞ?」
ニニギは黒い笑みを浮かべ、葉月を見つめる。葉月は思い切りニニギを睨みつけていた。
人の裁判と違い、あの世での裁判は一度しか行われない。判決は全てこの一回で決まってしまうのだ。それをイザナギから聞かされ、沙月の心臓がドクンと音を立てる。
若葉色の着物を着た男性の神が木槌を叩く。その刹那、法廷に緊張が走った。それが誰のものであるかはわからない。
「ニニギ……?」
首を傾げる沙月に気づいたのか、葉月が椅子に座らされたまま言った。
「ニニギノミコト……天皇の始祖となった神か。絶世の美女と言われる桜の祖神・コノハナサクヤヒメと結婚したために人間の命は短命となったといわれている」
この状況で教えてくれることに沙月は驚きと同時に、嬉しさも感じる。葉月の表情はとても力強い。
「よく知っているな、小僧。お前の裁判なのだぞ?」
ニニギは黒い笑みを浮かべ、葉月を見つめる。葉月は思い切りニニギを睨みつけていた。
人の裁判と違い、あの世での裁判は一度しか行われない。判決は全てこの一回で決まってしまうのだ。それをイザナギから聞かされ、沙月の心臓がドクンと音を立てる。