都の剣〜千年越しの初恋〜
葉月が有罪であるか、無罪であるかをかけた戦いが始まる。沙月は葉月を必死で心の中で応援し続ける。有罪となれば、どうなってしまうかわからない。緊張のあまり、沙月の指先が震えた。

最初に葉月が有罪という神が証言台に立った。知恵の神・オモイカネだ。

「いくら愛し合っていたとはいえ、ツキヤがしたことは許されないことです!神と人が結ばれるなどあってはならない!神と人は時の流れが違う。おまけに人は心が汚く、醜い存在。サシャ様は騙されていたに違いありません!!」

「そんなことありません!!サシャは、ツキヤを心の底から愛していました!ツキヤも同じです!」

沙月は思わず立ち上がって声を上げる。多くの神々が沙月を見つめ、「かわいそう」と言いたげな目を向けた。それでも、沙月の胸に叫んで恥ずかしいという思いはない。大好きな人のためならば、こんなこと何とも思わないのだ。

次に、葉月が無罪だという神が証言台に立つ。氷の神・オオサギノミコトだ。
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