都の剣〜千年越しの初恋〜
「おいおい……。二人はもう転生しちまってるんだし、千年くらい昔のことを今さら言うなよ。人間の世界では、国籍を問わずに人は愛し合うこともある。例外を認めてやるべきじゃねえのか?」

「そんなこと許されない!」

「そうだ、そうだ!!」

神々が口々にオオサギを責める。しかし、オオサギは顔色一つ変えずに、沙月に微笑んだ。沙月も微笑み返す。

「静粛に!!」

ニニギが木槌を何度も叩き、法廷はようやく静けさを取り戻した。ニニギは咳払いをしてまた裁判を続ける。

「では、次に転生したツキヤと暮らしていたというこちらの妖怪たちとスサノオ様に証言していただこうと思います」

「は、はい……!」

代表で金次郎が立ち上がり、ゆっくりと証言台に立つ。金次郎の緊張は、沙月にとても伝わってきた。

「……葉月は、とても強い悪霊でも倒せるほど強い人です。沙月とも仲がよくて、恋人同士です……」

金次郎は、葉月の家での様子をきちんと話して自分の席へと戻った。次にスーが言う。
< 64 / 138 >

この作品をシェア

pagetop