都の剣〜千年越しの初恋〜
「葉月は〜、すぐ僕に暴力振るうし口が悪いけど、それは沙月ちゃんを巡っての恋のバトルね!男の恋のバトルは強くて拳と拳がぶつかり合うんだ!!だから、葉月はいい人!すごくね!」

葉月をフォローしているのかしていないのかわからないことを言って、スーは証言台から離れる。そして、判決の時が来た。

判決の時は、神はまず陪審員に先に訊ねる。

「皆さんは、ツキヤを無罪だと思いますか?それとも、有罪だと思いますか?」

妖怪たちは暗い顔を見合わせる。沙月の緊張が高まり、葉月の顔も強張っている。水月が口を開いた。

「私たち陪審員は、全員一致でツキヤを………………有罪とします」

葉月が呆然となり、沙月は「……どうして?」と呟く。沙月の目から涙があふれ、流れた。

ニニギは満足げに笑いながら、ゆっくりと木槌を叩く。

「判決を言い渡す。ツキヤーーー宮野葉月は有罪。執行猶予なしの禁固刑に処す」

葉月が無理やり立たされ、どこかへ連れて行かれる。沙月も追いかけようと思うが、体は固まったまま動かない。
< 65 / 138 >

この作品をシェア

pagetop