都の剣〜千年越しの初恋〜
「お互いに支え合っていけたらいいなって思って。ほら、女の子同士だし」

ツクヨミはしばらく泣いた後、涙をそっとぬぐい笑った。その笑顔は、儚げでとても美しい。沙月は思わず見とれてしまった。

「サシャ様？」

「は、はい！こんな私でよければ、よろしくお願いします！あと、一つお願いがあって……」

沙月は、こんなことを言っていいのかと少し緊張しながら言った。

「私のことは、沙月って呼んでくれませんか？」

ドキドキしながら沙月は言う。ツクヨミは、一瞬目を丸くしてからすぐに笑った。

「うん！じゃあそうする！」

沙月はツクヨミとしばらく話し、裁判の日から初めて笑った。久しぶりの楽しい時間だった。



もう夕暮れが近いことを、カラスが鳴き声で告げている。葉月はゆっくりと体を起こした。

葉月は、狭い牢の中に閉じ込められていた。手には力を封印するための手錠がつけられたままだ。

「クソッ！何でこんなことに！！」

葉月がそう言うと、「うるせえ！静かにしろ！」と見張りが怒鳴った。
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