都の剣〜千年越しの初恋〜
葉月はそう言うが、沙月の笑いは止まらない。ツクヨミもつられて笑い、最終的には葉月も笑っていた。

お屋敷の中は、外見と同じような豪華なものだった。沙月はその美しさに言葉を失う。葉月も同じようで、辺りをキョロキョロと見ていた。

「こっちだよ！」

ツクヨミに案内され、気を抜けば迷子になってしまいそうなほど長い廊下を歩いていく。そして、一番奥の部屋の扉をツクヨミはそっと開けた。

豪華な和室に布団が敷かれ、そこに長い黒髪の姫神が眠っていた。もしもこの姫神が町を歩いていたとしても、きっと誰もがわかるだろう。

最高神・アマテラスオオミカミだと……。

「お姉様は、闇に負けてしまったわ……。いつ目覚めるかわからないの……」

ツクヨミはそう言い、「お茶入れてくるね」と言って部屋を出て行った。沙月が「お構いなく……」と言った時には、すでに廊下にはいなかった。

「この方が最高神……」

葉月はその場に跪き、「必ず、あの世を……この都を救うと誓います」と言った。

沙月も、「必ず、ヤマタノオロチを封印します」と頭を下げる。

新たな色が、二人の心に芽生えた。
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