都の剣〜千年越しの初恋〜
町で、沙月と葉月はいろいろなお店を見て回っていた。

「葉月、この食器って日本っていうよりは中国っぽいよね」

「まあ、日本は大昔は中国との交流が盛んだったと思うしな」

そんなことを言いながら食器を売られている店を見たり、なぜか八百屋や魚屋まで見に行ったりした。

「なあ……」

不意に、葉月が沙月の手を掴む。かんざしを見ていた沙月は、「どうしたの?」と訊ねた。葉月の目はいつになく真剣だ。

「ちょっと来てくれ」

そう言って葉月は沙月の手を掴んで歩き出す。しばらく歩くと、ネックレスや指輪などを売っている店にやって来た。

「これ、お前に似合うと思って」

そう言って、葉月は水色のパワーストーンのネックレスを買い、沙月の首にかける。

「あ、ありがとう!」

沙月は嬉しさでいっぱいになる。やはり、大好きな人といると幸せだ。サシャとツキヤもきっとこうだったはず。

「……きれいな色だね」

沙月はパワーストーンを見つめる。

「ああ。お前によく似合ってる」
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