都の剣〜千年越しの初恋〜
遠く離れていてこれだけ息苦しさを感じるというなら、近くに来たら……。そう思うと、沙月はゾッと寒気を感じた。
町を出ると、辺りはのどかな風景が広がっている。自然豊かで、もしもヤマタノオロチがいなければ景色を沙月は楽しんでいただろう。
ヤマタノオロチという言葉がみんなの頭の中にあるためか、誰一人言葉を発さない。暗い顔でひたすら歩き続けている。
普段はふざけてばかりのひとめや火影も静かだ。それだけヤマタノオロチは、みんなに恐れられているということだろう。
沙月の胸に緊張が走った刹那、「あの!」ときれいな声がした。
「みんなで歌を歌いませんか?」
お雪がそう言い、沙月たちは全員お雪を見つめる。白い着物を着たお雪はにこりと優しく笑い、言った。
「恐れていては、勝つことなどできません。互いに鼓舞し合わなければならないと思います」
たしかに今の沙月たちは、戦いに行くというよりは、処刑台に向かって歩く罪人と言った方がいいような状態だ。誰もが恐怖の中にいる。
町を出ると、辺りはのどかな風景が広がっている。自然豊かで、もしもヤマタノオロチがいなければ景色を沙月は楽しんでいただろう。
ヤマタノオロチという言葉がみんなの頭の中にあるためか、誰一人言葉を発さない。暗い顔でひたすら歩き続けている。
普段はふざけてばかりのひとめや火影も静かだ。それだけヤマタノオロチは、みんなに恐れられているということだろう。
沙月の胸に緊張が走った刹那、「あの!」ときれいな声がした。
「みんなで歌を歌いませんか?」
お雪がそう言い、沙月たちは全員お雪を見つめる。白い着物を着たお雪はにこりと優しく笑い、言った。
「恐れていては、勝つことなどできません。互いに鼓舞し合わなければならないと思います」
たしかに今の沙月たちは、戦いに行くというよりは、処刑台に向かって歩く罪人と言った方がいいような状態だ。誰もが恐怖の中にいる。