ヴァルハラ☆トライアル
「…うわぁぁ……す、すごい」
「…うむ…この樹は儂の霊力を吸って
直接、うぬに流れ込む…
好きに使うがよい」
「ええ?!いいんですか?!
さっっすが信長さまぁ~~~!(´∀`人)」
彼は、
現在女体である事をいいことに
黄色い声でおだてる(織田だけに)
『わぁ~♪のぶ、気前いい~♪
男前~~♪ じゃあ、僕も~♪』
九尾も、食べ終えた桃の種を
床に投げ捨てると
『パチン』と指を鳴らした。
すると、再び種は芽吹き…
今度はドゴーーンと
天井を突き破って
花満開の大樹となった。
「…おい……儂の城……!!」
『これは……見事ですねぇ…』
なにやら、
二人の事が苦手そうであった
シリウスも、ちらちら舞う
桃の花びらに感銘を受けたようだ。
『まぁ、吸ってるのは
信長の霊力なんだけどね~♪』
「……!!!! Σ(`皿 」
そんな、コントのようなやり取りと
美しく咲く、満開の花に
すっかり癒された彼であったが、
ふと、頭の上のトンが
『……ゴ…ぎ……ゴぎぎ……』
と、体をのけぞらせ
お腹を脹らませながら
奇妙なうめき声を
あげているのに気付いた。
「……まて……? まてまてまて…?!!」
彼は一瞬で、
トンが種を吐き出そうと
している事を悟る。
「トン!お前はいいからぁ!!
真似しなくていいからぁ!!
やめろぉぉ 俺の頭の上ではやめろぉぉ………
かくして…
三本目の小さな小さな
桃の苗木は
かわいい花を一輪だけ咲かせました。