クール王子ととろける溺甘♡同居



顔が熱い……。

あれから家に帰ってきて自室の部屋で映画館でのことを思い返すたびにドキドキと胸がうるさい。

男の子と放課後遊んだことがないから、慣れてなくてこんな風になっているんだろうって思うけれど。

帰ってきてから、勉強机に置いたままのポップコーンBOXを見れば、希夜くんの今日のいろんな表情が浮かんできて。

なに考えてるかわからないって、彼をよく知らない人たちはそう思うかもしれないけど、ちゃんと見てれば、若干表情が変わるのがわかるもん。

希夜くんが、ニッと笑いかけてこっちを見て来るたんびに、身体が熱くなって。

これって……。

私、希夜くんのこと────。

いや、ううん。

そんなことない。

自分にそう言い聞かせて、気付かないフリをする。

じゃないと、余計意識しちゃって、希夜くんと普通に話せなくなってしまう。

それに、男嫌いだって言っておきながらこんなに早すぎる心の変化なんて、軽いやつなんて思われるかもしれない。

周りから王子様だなんて騒がれてる彼と私がどうにかなるなんて、ありえないことだし。

私はただただ、希夜くん以外の男の人ともコミュニケーションを取れるようになるためにも、彼に手伝ってもらいながら、克服するだけだ。
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