クール王子ととろける溺甘♡同居

「本当に嫌だったら言って」

そんなことを耳元で囁くから、身体がビクッと反応して。

ずるい。
試すみたいな。

「小山さん、こっち向いてよ」

恥ずかしさで俯いていたら、再び優しくそう囁かれて。

耳にかかる希夜くんの言葉と混ざる吐息でどんどん熱くなる。

「耳真っ赤だよ」

「だって……」

恥ずかしいに決まってる。
そう簡単に慣れるなんて難しい。
そもそもこんなことされて平然としてられる女の子の方が特殊だよ。

私に比べて、希夜くんは全然顔色ひとつ変えないんだから、ちょっとひどいなと思う。

「……じゃあ今日はもうちょっと」

「ひっ……」

俯いてなにも言えずにいると、希夜くんの指が私の耳たぶに優しく触れた。

「ん、ちょ、希夜く……」

「そんな声出さないでよ。煽ってるようにしか聞こえないって」

突然触れてきたことにびっくりして思わず変な声が出ちゃったけど、希夜くんの言ってる意味がわからない。

煽ってるって……そんなつもりはまるでないし、触った希夜くんが悪いのに。
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