クール王子ととろける溺甘♡同居

希夜くんの柔らかい唇が首筋に触れて、身体中が痺れる感覚に襲われる。

「んっ……」

「ダメ。力抜いて、小山さん」

「そんなこと言ったって……」

力が入っているとかいないとか、そんなものわからない。

自分の身体なのに、自分の身体じゃないみたいで。

怖いとかそんな気持ちは一切ないはずなのに、涙で視界がぼやけて。

チュッと音がしたかと思えば、生暖かいものがさらに私の肌をなぞって。

こんなの……知らない。

慣れるため、自分にそう言い聞かせるけど、あまりにも多すぎるはじめての感覚に、私の頭は爆発してしまいそう。

私の首からやっと顔をあげた希夜くんと、バチっと視線がぶつかる。

「……っ、もっと、していい?」

「えっ……」

希夜くんのまさかの問いに、固まってしまう。

なんで……そんなに、余裕のなさそうな顔してるの。

希夜くんの前髪で隠れているおでこがほんの少し汗ばんでいて、目もいつもと違う。
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