クール王子ととろける溺甘♡同居


「あっら〜すっごくかっこいいわね〜!希夜くん!こんなイケメンと1つ屋根の下なんて花純が羨ましいっ!」


「ちょっと、やめてよママっ……」


思ったことをペラペラ喋り出すママを慌てて制す。


「希夜、荷物持って、そのままお部屋に花純ちゃん案内してて」


恵美さんがそういうと、彼は「ん」とだけ言って私たちの車の方へと向かった。


恵美さんの「それで、お母さんの容態は?」という声が聞こえたので、ママたちの立ち話はまだ結構かかりそう。


「この2つでいい?」


「……えっ、あっ、はいっ」


ぼーっとママたちのことを見てたせいで、須永くんに声をかけられたこと、一瞬気が付かなかった。


私の声に薄い反応をしながら、キャリーケースとボストンバッグを軽々と持ち上げた彼は、スタスタと玄関の方へと向かっていったので、その背中を慌てて追いかける。


「いい子にするのよ花純」


玄関前に着いた瞬間、ママにそう言われたので「わかってるよ」と返事をして、


「お、お邪魔します」


須永家に足を一歩入れた。


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