クール王子ととろける溺甘♡同居
ほかの学校と2泊3日一緒か。
なんだか突然緊張してきた。
辺りを回すと、違う学校同士で楽しそうにおしゃべりしている女の子たちもいるし。
仲良くなるの早くない?
それとも元々知り合い同士とか?
希夜くんがいるからと安心しきっていたけれど、当然部屋は男女別だから、初対面の子達と同じ部屋のは決まってるし。
大丈夫かな……私。
「月ヶ丘高校 二見」
「……はい」
っ?!
『二見』
先生の口から確かに聞こえたその名前に、心臓がドクンと跳ねる。
悪い意味で。
いや、二見なんて苗字結構いるよきっと。
たまたまだ。
そう思いながらも、身体が硬直して顔があげられない。
でも、あの返事。
低いのによく通る声。
どうしよう……。
まさか、本当に……。
「……山、小山〜、小山 花純〜。あれ、いないのかー?」
「小山さん」
「っ、」
不意に肩を優しく手が置かれてハッとする。
「小山さん、呼ばれてる」
「あっ、は、はい!」
希夜くんに教えてもらって慌ててそう返事をする。