クール王子ととろける溺甘♡同居
ずっとその恋心を無かったことにするみたいに蓋をして隠して、見て見ぬ振りをして。
好きだったと思うと、余計、辛くなるから。
再会して、またあの瞳にとらわれて、触れられて、思い知ってしまった。
「……小山さん?大丈夫?」
「えっ……あっ、うん」
名前を呼ばれてハッとすると、希夜くんと、畑中くん、前田さんが私のことを見ていた。
どうしよう、研修に集中しなきゃいけないのに。
「ねぇ小山さん!お米飯盒でちゃんと火起こして炊くんだって!すごくない?」
「あ、あぁ、うん!すごいねっ!」
前田さんが明るく声をかけて来てくれて一瞬止まっていた空気が動き出す。
「うまくできるといいよね〜!あ、早く男子組は先生から炭もらってくる〜!」
前田さんにそう言われて、希夜くんと畑中くんは、慌てて先生のところへと向かっていった。