クール王子ととろける溺甘♡同居

それから、カレーを美味しく作ることができて、最後はグループみんなで片付けをして。

前田さんに気持ちをバレてしまって、あれから希夜くんのことを変に意識しすぎてあまり多くは話せなかった。

話すたびにドキドキして顔が自分でも赤くなってしまうのがわかるし。

「小山さん、お疲れ様」

午後の講習会も無事に終わって、みんながぞろぞろと別館の宿泊部屋に帰るとき、希夜くんがそう言って声をかけてくれた。

「あっ、希夜くんもお疲れ様っ」

「ん。あのさ、これから自由時間だけど小山さんが良かったら──────」

「須永〜ちょっといいかー」

希夜くんが何かを言いかけたとき、先生が彼を呼んだ。

「あ、ごめん小山。またあとで」

「あっ、うんっ。またね」

私たちはそう言い合って、手を振った。

せっかく希夜くんが私に何か話そうとしてくれたのに。

先生ったらなんてタイミングなんだろうか。

私は、ひとけのなくなった研修棟からトボトボと1人歩いて宿泊棟へと向かう。
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