クール王子ととろける溺甘♡同居

なんでわかってて、こんな風に意地悪な仕方で絡んで来るの。
二見くんの行動がまったく意味わからない。

あの時はただの遊びで。

私のことなんとも思ってなかったんなら、再会したって無視してればいいのに。

もしかして、私があの日逃げたこと、怒ってるとか?怒ってるのはこっちなのに?

謝られたって絶対許せないって思うぐらい、傷ついたのに。

「それ、俺のせいなの?」

「……っ、だったら、何?」

私の手首を強く掴んで離さない彼を、キッと睨んでそういう。

「うわ、随分と強気じゃん」

いちいちニヤついた顔で視線を合わせてくる二見くん。

もう本当……。

どれだけ私のことを苦しめたら気がすむんだろうか。

心の底から──────。

「らい……」

「は?」

ボソッと吐いた私の言葉に、二見くんが聞き返す。

「……嫌い、二見くんのことなんて、大嫌い!」

そう叫ぶとその拍子で一瞬緩められた手を振りほどいて、私はすぐにその場から走って逃げた。
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