クール王子ととろける溺甘♡同居



「あ、小山さん、記録カードって保健係に渡せばいいんだよね?」

「えっ、あ、はい」

2段ベッドの上のほうからひょこっと顔を出した前田さんの声に、とっさに返事をする。

講習会と少しの自由時間が終わると、夕食にお風呂。

気が付けばあっという間に夜になっていて、今は各部屋でみんなゆっくりしてる時間。

講習会が始まる前の係決めで保健係になった私は、同室の子たちの健康記録カードというものをまとめて、朝と晩、先生に渡すのが主な仕事。

体温や体調を書くそのカードに、各々に測ってもらった体温を記入してもらうんだけど、その作業が今終わったらしい。

「頼んだよ〜小山さん」

「うん、いってきます」

ベッドの階段を下りた前田さんからカードを受け取ってから部屋を出る。

前田さんが気さくに話しかけてきてくれたおかげて、同室のみんなも私に「いってらっしゃい」と声をかけてくれた。

だんだんと馴染めるようになるかもって嬉しいのに、頭の中はお昼の二見くんのことばかりで。
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