クール王子ととろける溺甘♡同居
「小山さんのためとか、協力だとか、全部そんなの口実。ただ俺が一方的に小山さんのこともっと知りたくて、触れたくて、してることだから」
「……っ、」
驚きのあまり言葉が出ない。
希夜くんが、私のことを知りたいと、私に触れたいと……。
言われたセリフを脳内でもう一度リピートして、さらに身体中が暑くなる。
一体、どういう意味?
「小山さん、俺──────」
「特進クラスは手がかからなくて助かりますね」
っ?!
突然、階段の壁を隔てた向こう側から、話し声が
した。
「ほんと、他の生徒たちも特進クラスの子たちを見習って欲しいです」
……もしかして引率の先生たち?!
今の時間に、見回りしているのかな。
……男女がふたりきりでこんなところにいることがバレたら……。
「……き、希夜く──────んっ」
っ?!
助けを求めるかのように希夜くんの名前を呼んだら、とっさに口元を手で抑えられた。
目の前の彼は口元に人差し指を当てて「しー」のポーズをしている。
そ、そうだよね、安易に声出しちゃバレちゃう。
お互い息を潜めながら、先生たちの動きに警戒する。