クール王子ととろける溺甘♡同居
足音がどんどん大きくなってきていて、こちらに近寄ってきてるのがわかる。
……見つかりませんようにっ!
ギュッと目を瞑りながら祈ると、
「そろそろ行きますか。仕事もまだ残ってますし明日も早いですから」
「そうですね」
そんな会話が聞こえて、近寄っていた足音が今度は段々と遠のいていく。
「ん、帰った」
希夜くんが壁からひょこっと顔を出して先生たちの様子を確認してから、そういう。
「よ、よかった……」
間一髪、先生たちにバレずに済んだ。
ホッと胸をなでおろす。
「俺たちも帰ろっか、明日早いし」
希夜くんは、さっきまでのことに触れないまま階段から立ち上がった。
あれ、さっきのって……私の夢、なのかな?
たしかに、希夜くんにキスされたと思ったけど、なんでこんなに普通なんだろう。
しかも、先生たちが来る前、希夜くん何か言いかけてた気がするけれど。
いや、やっぱりそれも夢なの?
私と希夜くんはそのまま宿泊棟へと向かって、階段で「おやすみ」を言い合ってから、自分たちの部屋へと戻った。