クール王子ととろける溺甘♡同居
あの日のこと

翌朝、誰よりも早く目が覚めた。

正確には、なかなか寝付けなくてずっと起きていただけなのだけれど。

目を閉じるたびに、あの唇の感触と熱を思い出して、顔が火照る。

あれは私の夢だったのかな。

だとしたらどこからどこまでが夢だろう。

先生たちがいなくなったあと、ふたりで並んで宿泊棟に向かったけれど、その間希夜くんは普段通りだったし。

キスされた、と思ったのは私の勘違いだったのかな?

希夜くんが何を言いかけたのかも気になるし。

それから……二見くんのこと。

今日も極力彼に関わらないようにしなきゃ。

頭の中は昨日よりもますますパンク寸前。

相談できる舞子も今はいないし。

とりあえず顔を洗おうと、部屋の外にある共有スペースの洗面所に向かって、宿泊研修2日目が始まった。
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