クール王子ととろける溺甘♡同居

「……8番か」

「えっ、」

希夜くんのトーンの低くなった声に、嫌な予感がする。

「俺、2番。離れちゃったね」

「あぁ、そっか……」

一気にテンションが下がってしまう。
いやそりゃ30名近くもいるんだから同じになる確率の方がね……わかってはいたつもりだけど。

希夜くんと同じグループじゃないってだけでこんなに落ち込むなんて。

少し前の私ならあり得ないよ。

「そんな顔されると、俺と一緒が良かったのかなって期待しちゃうから」

希夜くんの手のひらが伸びてきて私の頭に乗る。

「……っ、」

『期待』なんて。
またサラッと喜ばすようなことを。
本人は絶対自覚なしでこういうこと言ってそうだから怖い。

「……希夜くんと、一緒が良かったよ」

俯いたままボソッと小さくそう呟くと、細くて長い指が顎に触れて私の顔をそっと上げた。

「今のは反則」

希夜くんは、私の耳元に顔を近づけて優しくそう囁くと、肩をポンポンと優しく叩いて、できたばかりのグループの方へ行ってしまった。
< 149 / 275 >

この作品をシェア

pagetop