クール王子ととろける溺甘♡同居
「……8番か」
「えっ、」
希夜くんのトーンの低くなった声に、嫌な予感がする。
「俺、2番。離れちゃったね」
「あぁ、そっか……」
一気にテンションが下がってしまう。
いやそりゃ30名近くもいるんだから同じになる確率の方がね……わかってはいたつもりだけど。
希夜くんと同じグループじゃないってだけでこんなに落ち込むなんて。
少し前の私ならあり得ないよ。
「そんな顔されると、俺と一緒が良かったのかなって期待しちゃうから」
希夜くんの手のひらが伸びてきて私の頭に乗る。
「……っ、」
『期待』なんて。
またサラッと喜ばすようなことを。
本人は絶対自覚なしでこういうこと言ってそうだから怖い。
「……希夜くんと、一緒が良かったよ」
俯いたままボソッと小さくそう呟くと、細くて長い指が顎に触れて私の顔をそっと上げた。
「今のは反則」
希夜くんは、私の耳元に顔を近づけて優しくそう囁くと、肩をポンポンと優しく叩いて、できたばかりのグループの方へ行ってしまった。