クール王子ととろける溺甘♡同居
「ひとりでいたら迷子になるよ」
っ?!
大嫌いな声が後ろからしたので身体がビクつく。
「……二見くん」
さっきまで女の子たちに囲まれてたはずなのに。
わざわざちょっかい出しにきたの?
「……昨日は悪かった」
二見くんはそう言って私の隣を歩き出す。
何よ。
調子が狂う。
少し乱暴な言い方をすると思えば、今度は落ち着いた声で謝るなんて。
「まさかここで会えるとは思えなかったから、ちょっとテンション上がって」
「……」
中学の頃、二見くんは、仲間とワイワイするというよりもそれを少し離れたところから見守ってるようなクールなタイプだったから、
そんな人の口から出てくる『テンション上がって』は意外で反応に困ってしまう。
っていうか、私のこと遊びだって突き放しておきながら、今更、再会して、テンションが上がる、ってよくわかんないし。
あの日以来、完全に会話することも無くなって自然消滅になった私たち。