クール王子ととろける溺甘♡同居

二見くんのこと嫌な思い出の対象だったはずなのに、何故か、今こうやって並んで歩くと、放課後の帰り道一緒に歩いたことなんかを思い出す。

変なの。

「懐かしくない?こうやって並んで歩くの。あの時はジャージじゃなかったけど」

「……っ、別に」

一体何が目的で、私に話しかけてくるんだろうか。あの頃のことは消し去りたいのに。全部なかったことにしたいのに。

「須永」

っ?!

二見くんが突然、希夜くんの苗字を呼んだので思わず顔を上げてしまい、彼と目が合う。

「なんでそんな過剰反応すんの?あいつの名前呼んだだけなのに」

「……っ、」

まずい、と思った時には遅かった。

「あー、なるほど。そういうこと」

二見くんは、なにかを察したみたいにそういうと顔をニヤッとさせた。

「……好きなんだ?あいつのこと」

一番知られたくない人に、知られてしまった。
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