クール王子ととろける溺甘♡同居
「え、知り合い?」
「あ、うん。中学が同─────」
「元彼ですよ」
っ?!
二見くんのびっくり発言に驚いて、目を見開きながら彼を見ると、ニコッと笑顔を向けてきた。
こ、この人……。
「元彼?それって……」
ヤバイ。
希夜くんは、私が男嫌いになった理由を知っている。
私にひどいことをした元彼と、私が2人きりでいたなんて思ったら……。
「あっ、えっと……」
弁解しようと口を開くけど、プチパニックでなかなか言葉が出てこない。
どうしよう……!
ガチャ
「お、どうだ、二見、指のほうは」
「せ、先生っ!!」
ナイスタイミングでやってきた先生に、ホッとして声が大きくなる。
よかった、間一髪。
二見くんと希夜くんの間で、あの時の話をするのは、今の流れじゃ無理だった。
私は、慌てて「じゃあ、私たちはこれで」と言いながら希夜くんの手首を捕まえて、急いで救護室を出た。